2013年1月16日水曜日

クマNo.4が緑のクマから教わったこと

クマNo.4は自分の過去の姿を思い出した。

 大きな組織で働いていたクマは組織のスピードについて行けなかった。いま何をしているのか解らなかった。目の前にぶら下げられた仕事を言われるままにこなして行くのだが何が正解で何が不正解なのかが解らなかった。クマは先輩から「なに、なに、それ、何やってるの」と冷たく注意されると急に不安になった。

 クマは何とも言えない苦しい気持ちになった。「もっとやさしくしてください」とつぶやく。ここから逃げる訳には行かない。ここから逃げ出したい、でも逃げてしまったら何かが取り返せなくなって人生が破綻する。クマは何とか強いクマになろうと焦った。ところがいつまで経ってもクマは強くなれなかった。やがてクマは組織から脱落し落ちこぼれた。

 幾つもの季節が過ぎたある日クマNo.4は緑のクマと出会った。探し当てたわけではないのに緑のクマはそこに居てくれた。


クマNo.4は随分老けたけれどいまは確信している。

取り返せないものなんて何もないんだ




2012年9月6日木曜日

むかしの日記がノートにメモしてあったので転記するくま

1996年1月1日
 由比ガ浜にて日の出を見た。お日様は何であんなにキレイなのだろう。日の出を見に行く途中UVカットの黄色いサングラスを2、000円で買った。カラーセラピーになるだろうか。



黄色いサングラスをかけているくま(横浜ウォーカー創刊号)

過去のメモ用紙を開くとこんなことが書いてあったので転記するみどりのくま

1995年12月
母は私にたくさんのことを注文する。

たとえば
母「おさむ、机を座敷に運びなさい」
私「はい」

すると机を運んでいるとき再度母が言う
母「おさむ、ちょっと来なさい」
母「ちょっとこれをあの棚に仕舞って」

私は机を運んでいいのか、棚に天ぷら置きの食器を仕舞うのか、どうしたらよいのか慌ててしまう。

次に再度
母「おさむ、このゴミを外に出して」
私は机を運ぶのか、天ぷら置きを棚に仕舞うのか、ゴミを外に出すのか混乱してしまう。

88歳で亡くなった祖母の初七日の法事でのエピソードである。そういえば子供の頃もそうだった同じに混乱していたと思い出した。

私は一度にたくさんのことを頼まれるとパニックになる癖があるが、これは母の急がせる癖に原因があるようだと解った。

1997年正月
初夢1、広い倉庫がある。倉庫はふた部屋に分かれていて向かって左側の部屋は新品の部屋。右の部屋は今は使っていないが懐かしい。右の部屋はがらんとしている私は懐かしむ。

初夢2、バスの中。母とビデオのことでもめてイライラして煙草をもみ消す私。ひとりで母を置いてバスに乗る。女性のバスガイドものすごく仕事に慣れている。右手に女子高をみながらバスが通るつぎつぎに下着姿の女子生徒が地下の廊下から上がってくる。身体検査か?体育のあとか?何人かはブラジャーをつけていない、手で隠していたり隠してなかったり。私やバスに乗る人たちはじっと見ながらバスで通り過ぎる。私は母にわかってもらいたくて少し母にあまえたい。

2012年3月6日火曜日

鎌倉に開店した若い占いのお店のお話

お天気が良いので掃除をしていたら緑のくまは本棚の片隅から古ぼけたチラシを見つけました。そこにはこんなことが書かれていました
「 この空間は1989年10月10日(火)午前11時鎌倉小町通りに生まれました。倉庫のようだった空間を魔法の箒でお掃除し、ネジでくりくり照明を取り付けて、水星色のペンキを壁に塗ることから始めてみました。みんなも僕も若かったしここから何が生まれて来るのか楽しみでした。
 椅子は鎌倉の古道具屋さんで手に入れて、机は部品を繋げて組み立てました。お手製アクリル看板はグルグルしながら工作しました。ロゴは看板屋さんが作ってくれました。注文していた荷物をほどくと魔法用品が店に溢れました。いつの頃にか書物が並んで、知らないうちに鉱物が置かれました。そろりそろりと人が集まり、魔術少年が現れました。宗教青年が神を配りにやって来ました。レズビアンが現れてバイセクシュアルが訪ねてきました。最後にゲイボーイが登場しました。女王様がお話をしてくれました。カワイイ歌手が歌ってくれました。不倫の恋人が不安そうに佇み、高校生の片思いが広がりました。あねさんが子分を連れてやって来ました。売れない芸術家が居ました。ずっと泣いている人が居ました。ずっと笑ってる人も居ました。お茶を飲む人、会話をする人、病気の人がやって来ました。ぷりぷり怒る人も居ました。僕をドキッとさせる人、ステキな人がいっぱい来ました。
 そして今日が来てきっと明日も来るんじゃないかとタロットカードをテーブルに並べています。テーブルクロスはできればシルク。シルクの上に鉱物を飾って。北側に私、南側にあなた。テーブルを挟んで座ります。あなたと私はなるべく目を合わさないこと。合わすと気持ちが乱れますもの。私はあなたを覗きます。あなたの身体を覗きます。身体の中には言葉が見えます。カードに言葉が滲み出します。あなたの身体を口に当てあなたを発音してみます。すると魔法が生まれます。魔法はあなたを包みます。緑のベールで包みます。緑は自由を許します。あなたが緑に映えたとき、素敵なことが起こります。こんな青い占いが、いつもここでは起こります。」
これを読んだくまは目をシロクロびっくりして何処かに飛び出して行きました。

2011年12月28日水曜日

今日はくまNO.5のお話

  くまNO.5は緑色の制服を着て子供達の安全を見守る正義のクマクマパトロール隊に入っています。
  今は冬です。寒さの中でのパトロールは上着が一段と分厚くなりくまの肥満体型が目立ちます。毛糸の帽子の上には緑色の制帽を重ねて被っているので頭がひときわ大きく縦長に見えます。
  今日のくまの任務は通勤、通学の人々でごった返す早朝の駅前に立ち、養護学校に通学する知的障害の子供達の安全をパトロールすることです。子供達は人波の中を自分自身のスピードと導線で歩いて来ます。くまが気を抜いているといつの間にか視線から外れて見守る間もなく通過して行ってしまいます。この辺りは通学路が大通り側と裏道側の二通りのルートがあるので片方の通学路ばかり見守っているともう片方側を歩いて行く子供を見失ったりします。そんな時くまは自分の集中力のなさを反省します。くまは見失わないようにと瞳をクリクリして辺りを見回します。駅の周辺は駅前スーパーへの商品搬入のトラックが並んで駐車していたり客待ちの駅前タクシーが出入りしたりして子供達の姿を車の陰に見失ってしまうこともあります。駅前でのパトロールはなかなか技術が必要です。うまくパトロールできた日のくまはとても自慢げに隊長のくまNO.1に一日の報告をします。
  朝の駅前には開店作業中のスーパーの店員や警備員、有料駐輪場の整理員、放置自転車の整理員、交通安全協会から派遣された小学生交通整理員、タクシー乗り場の清掃員、駅の清掃員、タバコを吸いながら立ち話しているタクシーの客待ち運転手などで溢れています。たまに政治家が後援者と共に訪れて拡声器で演説して宣伝ビラを撒いています。近所に建設中マンションの宣伝ビラをホッカイロと一緒に配っている女性もいます。かわいい犬を散歩させる人も行き交います。
  そんな中を養護学校へと通学する知的障害の子供達を見ていてくまはいつもこんなことを考えます。この子供達の心のなかで流れている時間と空間の広がりはボクとはまったく違うな。ボクはよその人からはみ出さないようにと生きている。はみ出さないような時間と空間を大切にしている。するとボクの持っている時間と空間は少し不自由なのかな。知的障害の子供達の時間と空間はひとりひとりとても自由だな。ゆっくりと歩く子供、小走りに歩く子供、蛇行する子供、直進する子供、これはきっと時間の使い方と空間の使い方が自由なんだ。本当の自由ってこういうことなのかな。
  くまはそんなことを考えていました。すると極寒の早朝クマクマパトロールの時間はひょーいと一気に過ぎて行くのでした。

2011年11月21日月曜日

ある日くまは11のこころを見つけました

くまはこころを絵に描いてみました。1番目のこころは兵隊さんの心。2番めのこころはシャワー中の心かな?11番目のこころは山伏修行中だぞ。

2011年11月13日日曜日

新しいブログ

お店のテナント仲間から「ホームページを作りたいのですがどうしたらよいのでしょう」と尋ねられた。「ブログ作成が簡単でよろしいでしょう」と返答した。そしたら「どこのブログがよろしいでしょうか」と尋ねられたので「調べておきましょう」と返答した。
そこで最近気に入っているGoogleではブログサービスをしていないのでしょうか?と調べてみたら、ブロガーというのがありました。そこでブロガーにみどりぐまのブログを作ってみることにしました。

でははじまりはじまり。